これは、私が底辺現場で働いている時に目の当たりにした、イカれたメンバーを紹介する記事となります。
この男、第一印象から違和感があるのが特徴した。
とにかく、年齢が不祥なのです。
ひげが濃く、眉毛や全身の体毛が濃いのに幼い見た目をしていました。
体系は普通でした。
おじさんと言われればおじさんに見えるし、中学生に見えると言われれば中学生に見える、そんな容姿をしていました。
私は「ひげの濃い中学生に見える」と表現していました。
そんな彼の年齢は、30代後半でした。
また、彼の趣味は仮面ライダーと戦隊ヒーローで、映画のエキストラに参加したことを自慢されたこともありました。
なので「ライダー」と呼ばれることもありました。(以下:ライダー)
飲み会の時、嬉々としてライダーの変身ポーズを披露したのを見たことがあります。
ちなみにバイクの免許は持っていないそうです。
ライダーは理系出身で大学院まで出ていたのですが、IT関係など様々な職を転々としてうちの現場にやってきていました。
そして、会話がままならないほどコミュ障でした。
仕事の会話はもちろん、雑談もままなりません。
なぜライダーの会話は成立しないのか・・・と思って観察していたのですが、
ライダーは超が7,8つくらいつくネガティブで、会話を全て否定で終わらせていることに気づきました。
私「最近、筋トレにはまってるんですよ」
ライダー「え、そうなんだ、筋トレなんてやっても仕方ないよね、筋肉があっても何にもならないし」
私「え・・・(内心イラッ)」
全てこのような形で会話が終わらせてしまうので、
他のメンバーだけでなく、別チームのメンバーからも嫌われていました。
そしてライダーは仕事が全くできません。
私たちのやっていた仕事は言われたことを指示通りやるだけの仕事だったのですが、
・複数の指示が来て、幾つか並行して仕事を行う
・仕事に指示を出すチームと連携して仕事を行う
こういったシチュエーションもありました。
ここでライダーが指示を受ける担当になると、決まって仕事が止まってしまいます。
ライダーは電話応対が極端に苦手かつ、一回に一つの作業しか行うことができないからです。
仕事に指示を出すチームからはクレームが来ていて、そのチームからも理不尽なくらいに嫌われていました。
食い意地も異常に張っていました。
夜勤の時、チーム全員でテイクアウトを頼む機会があったのですが、
自分のご飯が少ないことをずっとブツブツ言っていました。
皆で焼肉に行った時も、周りに配慮することなく肉をすぐに網から取り、生焼けのまま食べていました。
さらに、メンタル面でもおかしなところがありました。
ここまで書いたように極度に嫌われていて仕事も一向にできるようにならなかったため、
職場で怒鳴られる・ネチネチと怒られる場面を多く目にしました。
そうなると、ライダーは自傷行為を始めてしまうのです。
・頭を壁に打ち付ける
・机の上の物を取って頭に何度もぶつける
・自分の手を血が出るまで噛む
など、明らかに尋常じゃない行動をとります。
そんなこともあって、ライダーは現場で完全に孤立することになりました。
このことは本社の部長の耳にも入ることになり、部長が現場に来た時に話し合いが行われることになりました。
どう見てもライダーはもう限界なのですが、彼はクビにはなりませんでした。
なぜなら、
・新人を入れて教育する費用や手間がもったいない
・ライダーの所属している会社はとにかく単価が安い
等の理由があるからでした。
彼が辞めるまで、仕事が任せられないので戦力にならないばかりか、何をしでかすか分からない爆弾を抱えてヒヤヒヤした日々を過ごすことになりました。
これがまかり通るのが、底辺現場たるゆえんでもあります。
極めつけは体臭が異常にキツく、後に分かったことなのですがとても不潔でした。
彼は、腐ったネギとプラスチックを混ぜたような体臭を放っていました。
近くにいるのが匂いで分かるレベルで、エレベーターなどの密室に居るときは特に顕著でした。
後、彼は潔癖症を自称していました。
仕事の合間や作業中にも、手をひたすらティッシュで拭いていたのですが、くちゃくちゃになったティッシュをポッケに戻していました。
明らかにそっちの方が不潔だと思います。
また、手を洗わずにスーパーで買ったおにぎりを食べるなど、とても清潔面を気にしているとは思えませんでした。
潔癖症=綺麗好きではないことを、私はここで痛感しました。
ライダーは現場で孤立し、仕事で全く成長しないまま、丸3年ほどたった3月のある日、3月末で辞めることが知らされました。
彼が辞めることは本当に突然でしたが、仕事を任されていなかったので特にそれによる障害はありませんでした。
後で聞いた話ですが、自分が不当に評価されないので現場を辞めたいとしきりに言っていたそうです。しかし新しい現場は見つからず、欠員のある現場がたまたま見つかった為突然の離任となったとのことでした。
ライダーは、職場近くに所属会社が借り上げていた小さなアパートで一人暮らしをしていました。
彼が離任した4月、アパートには彼の会社から代わりに来た新人が入居することになり、彼の会社の社長とその家族でアパートに向かうことになりました。
彼は突然辞めることになったので、部屋のクリーニングができなかったのですが、
社長は「彼は綺麗好きだから大丈夫!」と言って、そのまま入居することになりました。
部屋はそんなに汚れておらず、モノもすべて運び出されていたのですが、
少し臭かったそうです。
不審に思ってユニットバスに入ると、
ブラックホール状態になった便器がありました。
おそらく、一度も掃除をしていなかったのでしょう。
新人と家族は衝撃を受け、社長は苦笑いをするしかなかったようです。
なお、新人が入居して3か月ほど経った後に家にお邪魔したことがあるのですが、
トイレはひどい有様でした。
3か月、懸命に掃除をしたのでマシになったとは言っていたのですが、それでも十分ヤバいレベルでした。
その後新人はさらに掃除をしまくって、便器は少し汚いくらいに落ち着きました。
ライダーは今、40歳を超えているはずです。
彼に代わって部屋に入居することになった新人が社長と面談したとき、ライダーが新しい現場を辞めたがっていて、大きなミスなどはないので続けてほしいと説得しているとのことでした。
ライダーは数多くいるここに紹介するメンバーの中で、とにかく印象に残る男だったのですが、今元気でやっているかが気になるところです。
コメント