バックレ…何の連絡もなく、消えるように職場を辞めること
私はこれまで働いてきて、底辺現場やそうじゃない現場においても、バックレる人間というのを何人も見てきました。そんな中でも、特に印象的だったものを紹介していきたいと思います。
東日本大震災でバックレ
これは、私が新卒で入った会社で、一番最初に配属された現場でのお話。
会計・経理システムの修正・テストの業務に携わることになった私。
少し小柄で、もののけ姫の歌を歌う米良美一にちょっと似た、寡黙な先輩の下で仕事をすることになりました。彼は当時30歳くらいだったと思います。(以下、米良さんとします)
あまり自分から話をする方ではなかったのですが、丁寧に仕事を教えてくれる方でした。
(配属そうそう、私はインフルエンザにかかって一週間休んだりと多くの迷惑をかけることになりましたが・・・汗)
米良さんと仕事をしたのは一か月ほどでした。米良さんと私はチームを離れたのですが、そんな時に東日本大震災が起こりました。
私は当時東京の東側に位置する現場で働いていたのですが、発生当初は凄まじい勢いで目の前のビルが揺れていたのを覚えています。
電車はすべてストップしたのですが、幸い職場から徒歩1時間30分ほどのところに住んでいた私は歩いて家に帰ることができました。
(大きい道路は歩行者でいっぱいで、難民のようだったのが印象に残っています)
数日会社が休みになった後に出社したのですが、ニュースは震災、福島の原発の爆発一色だったのを覚えています。
震災からしばらく経ち、震災関連のニュースが少なくなったある日、米良さんがいなくなったことに気づきました。
それからしばらくして、米良さんの直属の部長と飲みに行く機会がありました。
その時、米良さんが辞めたことを知ることになるのです。
ねえ、米良君が辞めたことは知ってる?
え、初めて聞きました!最近見ないなとは思っていたのですが
部長は、事の顛末を話し始めました。
部長と米良さんの家は近所で、自転車で10分かからない距離でした。
部長は当時40代前半くらい、既婚者で、奥様と小学生くらいの娘と息子とマンションに住んでいました。そして米良さんは一人暮らしでした。
福島の原発のニュースが世間を騒がせていたある日、米良さんが急に部長の家を訪ねました。
部長曰く、ものすごく憔悴しており、マンガ「あしたのジョー」のジョーが、最終回で燃え尽きたよう感じだったとのことです。
福島の原発が爆発した・・・東京は終わる、どうしよう・・・
というようなことを延々とつぶやいていたそうです。
その時家に居たのは部長一人だけだったのですが、奥さんや子供も外出先から帰ってきて、家には一人の燃え尽きた男・・・
部長は対処が分からなく困りはて、とりあえず家に帰ってもらうことにしました。
その直後から彼は仕事を休むようになり、無断欠勤をするようになったので電話をすると福岡県の実家に戻っていってしまったとのことです。
確かに当時、福島の原発のニュースを多くやっており、関東から疎開する人が出てきたりと軽いパニック状態になっていたところはありました。
それを目の前で目の当たりにすることになりました。
ブサイク芸人
ニセ霊感男
この他にも、「寮に探さないでください」と置手紙をして実家に戻っていたり、突然会社に来なくなり、上司がアパートを訪ねても応答がなくてしばらくして辞めることになったなど、様々なケースがありました。
バックレることへのリスク
さて、バックレることについてのリスクとはどういったものなのでしょうか?
上司からの鬼電、自宅訪問
会社を無断で休んでしまった場合、間違いなく上司から鬼電があると思います。
さらには電話だけでなく、自宅にまで訪問されることもあります。
解雇
無断欠勤が14日続く場合、懲戒解雇にしてもいいと就業規則で決まっていることが多いです。もし仮に懲戒解雇になった場合、履歴書に懲戒解雇と書かなければいけません。
返却物について
就業先によっては、返却しなければならないものがあると思います。
代表的なものとして、PCや制服、セキュリティカードなどが挙げられます。
連絡にも応じず、こういったものを返さないと、後々トラブルに発展することもありえます。
下手したら損害賠償
返却が必要なものを返さない、無断欠勤によって会社に損害が出た場合は損害賠償を請求されてしまう恐れがあります。
バックレは悪か?
私は、なるべくバックレは避けたほうがいいと思っています。
辞める前に、職場の上司に相談するのが一番です。
しかし、上司に暴力を振られるから言い出せない、辞意を伝えると言いくるめられてしまう、精神状態が限界だなど、様々な事情がある場合もあると思います。
こういった時、選択肢の一つとして挙げられるのが退職代行です。
しかし退職代行を使うのは気が引ける・・・そんな方も多くいらっしゃると思います。
しかし、どうしようもない場合でも、退職代行を使うのが禁止されているとどうでしょう。
この場合の選択肢は2つです。
- バックレる
- 限界がきて倒れる
の2択になります。
どちらもあなたにとって良くありませんし、あなたを雇っている会社側にとっても良くない選択です。
私は、退職代行は本当に最後の手段だと思っています。
しかし、本当にどうしようもなく追い詰められた場合、退職代行を使うのは双方にとって最適な手だと、私は考えています。
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